21世紀の偉大な首都「アスタナ」の物語
カザフスタンの首都アスタナは、かつてはアクモラと呼ばれたところだ。
1997年10月20日カザフスタン共和国大統領令およびカザフ共和国議会の承認を得て、1997年12月10日カザフスタン共和国の首都と宣言された。
カザフ共和国の新しい首都であるアスタナの国際的お披露目は1998年6月10日に行われた。
1920年当時のカザフスタンの当時の首都はオレンブルグ。(現在はロシア連邦に編入されている)
1925年カザフの首都はクジル・オルダに移動。更にトルキスタン、シベリア鉄道の建設が主な理由となって、アルマ・アタ(アルマ・トゥイ)に移された。
法的には1927年4月3日のことだが、実際は1929年に移転。アルマティからアクモラへの首都の移転は経済的、環境的、地理的理由から進められた。
まずにアルマティは共和国の地理的中心地から遠すぎること、更に人口が150万人に近付き、居住地が狭くなってきたことによる。
社会、経済的指数、天候、景色、地震、自然環境、生産輸送基盤、建設設備、労働力等32の指標を元に、カザフスタン全土を徹底的に検討し、アクモラが最適な年として選ばれた。
アクモラの可能性
選ばれたアクモラは、カザフスタンの地理的にはほぼ中央にあり、空路の乗り入れによって主要な経済的地域とも近く、現在の人口に対して更に40万人増加できる可能性があり、温水、冷水、電力供給の基盤が充分しっかりしている。輸送基盤のインフラも十分。自然環境もバランスがとれており、これら全ての要素がアクモラ選択決定の要因となった。
アクモラの歴史はカラウルトゥクの地にアクモラ要塞を建設した時から始まる。 "アクモラはシベリア・キルギス地区のイシム川河畔アクモラ郡の主要な都市で、この地域の地理的な中心地にあり、東はカルガリと道が通じており、南にアクタウの城砦があり、西にアトバサールがあり、これによりコクチェタクの町に通じている"と、1863年ペテルスブルグで発行されたロシア帝国の地理・統計事典に書かれている。すなわち、この時期から、この町の地理的利点が知られていたと言うことだ。
また、他の出典によると、アクモラ ステップ(草原)は、色々な国や文化との他民族交流の地でもあった。
BC1世紀の中頃、古代ギリシャの有名な歴史家ヘロドトスの言うところの大草原の道がこのアクモラの草原を通っていたと言われており、シルクロードでもあった。
数多くのキャラバンのルートに、交易や手工業によって新しい都市を生み出し、牧畜とは別に新たに増えた人口が農業に従事した。文明の始まりだ。
19世紀にもアクモラは草原における商業経済の中心地だった。1863年7月16日、アクモラは正式に地域都市として認められた。
こうした歴史的な背景もアクモラが選ばれた理由のひとつだ。
アクモラをアスタナに改名
アスタナとは「偉大な都市」と言う意味だ。
8月21日首都建設局は2000年2月カザフスタン政府によって承認されたアスタナ発展総合計画の実施を発表した。この計画策定に当たっては国際的な規模での都市計画のコンペティションが行われ日本の建築家黒川紀章氏の案が採用された。
この総合計画の主要な考え方はイシム川左の発展とともに新市街と旧市街の調和のとれた融合にある。新市街は川の左岸で建設される。
左岸に建設すると言うことは、このカザフスタンの首都を近代的であらゆる活動を容易にするためのもの。計画が目指しているものはイシム川とアブラク地区にレクリエーションと森のゾーンを作ることだ。また、アスタナの気候を改善するために、いくつかの湖を作ることも、計画されている。総合計画の中の一つは、市の各地区間を交通網で結び、住民が他地区に容易に移動できるようにすることだ。市は一つの有機体として機能しなければならない。既に作られたバイパス以外に、市街に更に2つの環状道路を建設する予定だ。イシム川の左岸と右岸を結ぶため、もう一つ橋を架ける工事が既に始まっている。高速鉄道も建設の予定で、地下鉄の建設も検討されている。総合計画の実施は都心の建設から始まる。
都心はイシム川左岸に3300メートル×1200メートルの長方形で置かれる。この都心の軸となるのが、100メートル幅の通りで、広場や噴水、彫刻が設けられます。またこの通りと平行して、6レーンの通りも4つ設けられる。中央には直径400メートルの円形の建設地があり、そこにカザフ オイルやトランス オイルのビルが建てられている
中央通りに沿って、オフィス ビルや、銀行、マンションが建てられつつある。
都心には、また外交関係施設も設けられます。都心の一部はイシム川の流れに沿っており、この中心広場に大統領官邸や、カザフスタン国会の上院・下院の建物が建ち並び始めた。
カザフスタンが独立して以来、初めて自国の手で建設する首都アスタナ。21世紀に相応しい機能を備えた新都市がいま完成しつつある。

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