ナザルバエフ・カザフスタン共和国大統領と安倍日本総理大臣の懇談について
「アスタナ、KAZINFORM通信」N.ナザルバエフ・カザフスタン共和国大統領がジェズカズガン地方へ出張後、「KHABAR」国営テレビ局のインタービューを受けました。大統領が我国の現在抱えている経済、歴史、言語と宗教の分野の発展における課題を取り上げました。
「ジェズカズガンーベイネウ」と「アルカリック―シュバルコリ」を結ぶ鉄道線の開線がジェズカズガン地方のみならず全国に政策的且つ歴史的な意味を持つことになると強調しています。カニシュ・サトパエフ地質学者がジェズカズガン地方に銅産地を発見したことによりジェズカズガン市が誕生したと同様に意味の深い出来事であると大統領が発言しています。それから50年経ち、銅産地から数百万トンの銅が採取されています。銅の産地埋蔵量が幅大きく減少し、市の衰退に影響しはじめているのです。銅の採掘量が減ったことにより、失業率が上がりはじめています。
ジェズカズガン市の位置が今回の鉄道線の発足に困難を与えました。ソビエト連邦の時代、カザフスタン国内の地方が結ばれる鉄道線が極めて少なく、ロシアと結ぶ線が一般的でした。目覚しい発展を遂げている我国の鉄道線の事情が大きく変わり、路線総延長1千200kmの鉄道線の発足に5000億テンゲが創出されています。
この路線総延長の鉄道線は50年~100年までと長期的に我国の発展に重要な役割を持つはずと大統領が強調しています。鉄道線の運行地域においては雇用改善と人口増加による経済復興が見込まれます。
さらに、我国の文化、歴史とともに精神的な面も取り上げられました。我国では聖なる地域が数々あります。東部ではベレル、中部ではカルミク人と戦ったアンラカイ戦闘の現場、西部では黄金のオルドのサライチク、南部ではトルケスタンがあります。
そのうち、もっとも神聖とされるウリタウ山脈に触れられました。我々は自分達の歴史をさらに知り研究を続けるべきです。そのため様々な政策が行われました。その一つに「歴史記念年」があり、中国、イランその他の国から我国の歴史についての古代文書をいただきました。昔は口頭でのみ伝えられてきた知識でしたが、今後はこの情報を次の世代に伝承していく義務があります。
ナザルバエフ大統領は我国の歴史を若い世代がもっと学ぶべきであると述べられています。ウリタウ山脈はカザフ人全員にとって聖なる地域であり、今までここに存在したフン族やコックテュルク族またそれ以外にも黄金のオルドの中心となっていました。
ウリタウ山脈の山頂からアウリエ・アタ(聖なる町)河が流れています。ウリタウ山脈の麓には豊富な牧場がありすべての遊牧民達の憩いの場となっていたため人々から「ウリタウ」(偉大なる山)と呼ばれていました。夏には遊牧場にたくさんの人々が集まり、結婚式等の数々のイベントを祝うため賑わいました。様々な地方のカザフ人がここで交流してきたことで、カザフ語には方言がありません。
歴史認識は故郷への深い思いを強くさせます。歴史を重んじない民族は長期的に繁栄することが難しくなります。「古い落葉樹の根が深くて丈夫でなければ、強い嵐を乗り越えられません」と大統領が述べました。
母国の新しい首都の選定には歴史と自然豊富なウリタウも立候補となりました。しかし、この地域のインフラが十分でなかったため、アスタナ市が選定されることになりました。現在のウリタウは、鉄道線と高速道路が整備されたため、多くのカザフ人が訪れる神聖な観光スポットに変わりつつあります。
次に、大統領が社会における宗教と言語の課題に触れました。どんな時代でもカザフ人は宗教を重視してきました。我々の宗教だけではなく、世界の宗教を知り、それらを尊敬するべきです。
宗教が社会において、病身の方々の援助、年上の尊敬、教団、国民の保護や統一の呼びかけという意識を高めます。このような形で宗教が国家に有益を齎せ、発展を促進し、国民の統一に取り組むことになります。
我国の統計によると、カザフスタンの人口の6割がイスラム教ですが、その2割しか実際にイスラムの礼拝基準に従っていません。現在、富裕層がはるばる聖地まで参拝に渡航する傾向にあります。参拝は深い意味を持つことを忘れず、更に宗教への尊敬、知識を高める意味を持つことになります。
カザフ語の発展と強化について、ナザルバエフ大統領は国家の歴史、文化や伝統を母国語でしか伝えないことを指摘しました。母国語でしか伝えきれない有名な作家アバイの慣用句と格言が数多くあります。各言語は唯一な特徴を持ち、その言語の消失により、言語の魅力そのものが失われることになります。
医療、文化、インターネット、マスコミ、化学と学術の使用率が高い英語と同様に、カザフ語の使用魅力を一層アップする必要性があります。
ユーラシア経済連合の加盟の重要性について、ナザルバエフ大統領が次のように述べました。「ユーラシア経済連合の加盟国であるベラルーシ、ロシアと我国間の輸送コストが下がり、我々の生産品の競争力が世界市場で高まっています。ユーラシア経済連合は政治的ではなく経済的な統合であり、各加盟国は平等に投票権を有し、意見の一致を実施しています」。
カザフスタンの独立に恐威があれば、我々はこの連合からいつでも出られる権利もあります。
我国はユーラシア大陸の中心にあり、海に面していません。我国の生産品を世界市場へと輸送するにはロシア連邦の黒海または中国まで届ける必要があります。我国の人口の1700万人に対して、生産品量が2500億であります。我国の人口を賄う生産品が充分にあり、残商品を世界市場に輸送することにより我国の経済成長を図ります。そして、貿易面での隣国との友好な経済関係を維持するのが重視になります。
欧州各国がロシアに対する経済制裁を行うのは、我国の経済成長に影響します。一方、ロシア側が欧州各国に対して経済制裁を取ることにより、我国の貿易関係の改善に繋がります。野菜、果物とお肉類の様々な生産品の需要が高まることにより、我国の農業生産が上がることになります。
欧州各国の制裁はカザフ経済に強い影響は与えません。今年、我国は世界貿易機関の加盟を打ち出し、欧州連合の関係もさらに発展するよう諸協定の締結に取り組みますと、ナザルバエフ大統領が強調しています。
ナザルバエフ大統領は我国の未来は明るいと述べました。多民族国家の我国には、地域の安全と統一また国家の安全保護を背景に成長を遂げる情勢が充分にあります。
母国は、若い世代に裕福や幸福を齎すような「永遠国家」になるよう全力を尽くします。現在の若者は、カザフスタンの未来の成長に大きく貢献し我国の経済成長に取り組んで頂きたいと、ナザルバエフ大統領が指摘しました。